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執筆者の写真望月 大仙

不空羂索観音祭 本尊開眼25周年

不空羂索観音祭


 本尊を開眼して二十五年、本堂を建立して十五年。


 世にお寺の数多くあれど、歴史の浅さで鑑みればかなりおしりの方にいること間違いないでしょう。


 しかし、どのようなお寺であっても人がいて、信心があって、その結果としてお寺が、本尊があるわけです。


 今、私のいるこのお寺は信徒の皆様の信心の結晶であり、座に座り祈るたびにその思いを深く感じます。

 この度のお祭りは、そのことを皆様と共有し、この宝をこれからも伝えていこうという決意を改にする日でもありました。


 今回は、二十五周年を記念して、開眼以来初めて本尊様との五色の紐でもって繫がる祈りを行いました。


 私は本尊様の前で、信徒の皆々様に紐を手渡し共に手を合わせました。紐を手渡すとき、多くの方が手を震わせて感極まったという様相で受け取られておりました。



 その心は私の心にも繋がり、観音様とのご縁の素晴らしいことを何度も何度も実感させられました。


 この観音像は、お寺が建立される前、一軒家で説教所として活動していた折に開眼いたしました。その時は、手が触れそうなほど近くで見ることが出来ていたのです。


 それが十年経って、本堂が建立されてよりは立派なお厨子に入り、荘厳されました。私でさえ少し遠くにいかれてしまったようにも感じたものです。

 説教所の当時を覚えていらっしゃる方は、15年ぶりに近くで観音様と対峙され、お堂ができてから来られた方は初めて身体的に観音のお近くに立たれた。


 観音様は常に私達の心の中におわします。しかし、やはり人は凡夫でありますから身体でしかわからないことの方が多いのです。


 お近くで感じること。やはりこれにまさる修行はないでしょう。今回の法要は、参加されたみなさまにとっても、この上ない行となり、より一層の信仰を深められたことも思います。


 今後も、皆様とともに心身ともに精進してまいります。



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