毎年、1月の末に厳修する護摩を当山では初不動護摩としております。
本年は疫病の風が吹き荒れる中での法要となりました。
だからこそ例年以上に多くの方が一年の息災と安穏を祈るこの護摩に申し込まれました。
例年は本堂いっぱいに200名もの信徒の方々が参加されるのですが、今年は午前と午後の二部に分けて人数も制限しながら執り行うこととなりましたので「参加したいけれど・・・」という方も多く出てしまったことは本当ん残念です。
当日は感染予防の観点から、窓も開けての法要となりましたが、あいにくの雨と低い気温。みな寒さにも耐えながら、心のなかでご真言を唱え、息を殺して2時間に及ぶ法要に参加されておりました。まさに皆が一眼となって修行に臨んでいるような心持ちでした。
世の中のお寺では無観客で法要を行うという場所もあります。しかし、当山ではそれを採用しませんでした。
なぜなら、祈りというのは一人では成し遂げられないからです。
この疫病騒ぎの中で、私は多くの線香護摩を焚き、祈ってきました。その中で多くの人が「場」を共有して祈ることの大切さというものを体を通して感じたのです。一人で祈っている時以上に、誰かとともに祈ること、誰かのために祈ることは強い力を生みます。
まさに〈利他行が自身の力となる〉ことを実感したのです。
本年も万事つつがなく、とは行かないでしょう。しかし、その中でも足を止めず、常に歩き続けること。その背中を押してくださる手こそが仏菩薩の御手なのです。今回の初不動護摩ではその手を強く感じられました。
ともに一歩一歩踏みしめていきましょう。
合掌
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