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望月 大仙
2021年8月10日
処世界さんの日記(拾二)
令和二年二月二十一日(前篇) この頃になると曜日の感覚が全くなくなっています。日記に書いてある曜日で今日が何曜日だったのかを認識できるのみ。テレビも新聞も無く、外界から完全に遮断された世界は極めて平穏だが、刺激がないのも事実。作業は試別火のうちに終わっているため、時たま縁側...
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望月 大仙
2021年8月2日
処世界さんの日記(拾壱)
令和二年二月二十日(後編) 十七時頃に夕食。しかし、この夕食は今までと異なり自室で一人。院士さんが部屋の前までご飯を持ってきてくださる。もちろん結界があるため中に入ることはできない。 今まではちゃぶ台の上で院士さん達の近くで食べていたところから一転、急に扱いが変わり何だかむ...
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望月 大仙
2021年7月26日
処世界さんの日記(十)
令和二年二月二十日(前半) この日のお目覚(おめさ)は八時と遅い。他の練行衆が別火坊へとやってくるのは19時ごろなのでそれまでにお引越しを済まさなければならない。 修二会は3月1日からの本行の前に、9日(閏10日)間に渡る前行として「別火」の期間を設けることは以前にもお話し...
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望月 大仙
2021年7月20日
令和三年度 施餓鬼護摩法要
毎年、七月に厳修しております施餓鬼護摩法要は、令和三年度も無事に修することができました。お手伝いただいた方々には改めてお礼申し上げます。 未だに疫病の災禍は収まらず、混沌と怒りが渦巻いております。しかし、私達はこの世界で生きていくしかありません。このご先祖様や諸霊へのご供養...
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望月 大仙
2021年7月12日
処世界さんの日記(九)
令和二年二月十九日 天気は晴れ。朝の九時に堂童子さんがお引越し。練行衆とともに、三役と呼ばれる「堂童子」「小網」「駈士」も、別火坊にて精進潔斎を行う。 そのなかでも特殊な立ち位置にあるのがこの「堂童子」。走りの行法や、達陀の際に戸張を巻き上げるようにしている姿はテレビでもよ...
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望月 大仙
2021年7月5日
処世界さんの日記(八)二月十八日
令和二年二月十八日 朝起きると、まぁ寒い。 この戒壇院の庫裏、通称「別火坊」ですが、近年修理が行われまして、その御蔭で隙間風などがなくなり暖かくなったと評判だったのですが…(今までよりも)暖かくなったということです。 とはいえ、手水鉢が凍ることもあるこの時期は、鋭い冷たさを...
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望月 大仙
2021年6月25日
処世界さんの日記(七)二月十七日
令和二年二月十七日 寺役は三月堂。再び端から端への大移動。幸いにも天候は曇り。しかし、気温は三度、足が冷たい。 普賢光明寺は不空羂索観音を本尊とするお寺です。(写真は当山本堂)ゆえに三月堂を参拝することは自身の本尊を礼拝するも同じ。心休まるひとときです。幼少期より東大寺に何...
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望月 大仙
2021年6月21日
処世界さんの日記(六)二月十六日
令和二年二月十六日 15日から参籠する練行衆は一人ですが、参籠する人がいないかと問われれば答えはノーです。 私の参籠に合わせて食事の支度をしてくださる「院士」。その補佐の「小院士」、ご飯を炊いてくださる「大炊(おおい)」さん達です。わざわざご飯を作ってくださるということでな...
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望月 大仙
2021年6月21日
処世界さんの日記(五)二月十五日
令和二年二月十五日 この日は大仏殿の寺役。華厳経の読誦です。寺役の前には一杯のお茶が出されます。しかし、新入の処世界にとって寺役で飲める最後のお茶になります。 というのも、新入の練行衆(並びに新大導師)は通常の練行衆と異なり、五日早く行に入るためです。しかし、それがお茶とな...
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望月 大仙
2021年6月14日
処世界さんの日記(四)
令和二年二月十二日 後編 時導師を行う時に必要な道具というのは二つあります。一つは柄香炉で、三礼はもちろん散華行道の際にも時導師はそれを持って回ります。もう一つは「鈴」。修二会の行法においては様々な鈴が鳴らされます。 練行衆はそれぞれ鈴を持ちますが、「四職」と呼ばれる上位四...
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