望月 大仙2021年9月27日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾九)令和二年二月二十六日 以前に私が書写した処世界日記の画像をアップしたのを覚えていますか?しっかりと和綴じ風にして丁寧に作ってあるんですよ。いや、そんなことは全然しなくて良いのですが、変なところに凝りだしてしまいましてね。...
望月 大仙2021年9月20日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾八)令和二年二月二十五日 この日は、全体的に弛緩した雰囲気が流れる。 何故ならこの年(令和2年、2020年)は閏年。修二会の全行である別火は二月二十日に入ることとなっております。これは閏年になっても変わりません。なので、閏年の修二会は一日多いのですね。だからといって作業が増える...
望月 大仙2021年9月13日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾七)二月二十四日 早朝、六時頃。普段なら静かな別火坊にリズミカルな音と、変わった匂いが鼻孔をくすぐる。 寝ぼけながらそっと障子を開けて縁側に出てみるとその匂いが「餅」であると気づく。手洗いに向かうとその匂いながら煙がすごい。途中、仲間さんと出会ったが仲間がたもこの「煙」で起こさ...
望月 大仙2021年9月6日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾六)さて、花ごしらえなどと大仰な名前を付けてはおりますが、やっていることは単なる工作でして。言ってしまえば幼稚園児でも出来るような作業です。それを大の大人が集まってやっているというのも面白い光景です。 しかし、その材料は全く子供向けありません。用いられている和紙は染色の専門家で...
望月 大仙2021年8月30日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾五)令和二年二月二十三日(前篇) この日は晴れ。今日は花ごしらえ。大広間にて作業をする。そのため、お布団を畳んで置かねばならない。なぜかって?試別火の間、北の練行衆は大広間に布団を敷いて寝ており、布団は敷きっぱなし。ちなみに本行になると咒師以下の練行衆が大広間にて寝ますので結構...
望月 大仙2021年8月23日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾四)令和二年二月二十二日 朝八時になると別火坊内では鐘が鳴らされ、「お目覚(おめさ)ーーー!!」という加供奉行の大声で叩き起こされる。同時に仲間衆が雨戸を勢いよく開け慌しい様子で一日が始まる。 逆を言うとそれまでは布団の中で静かに過ごさなければならない。八時起床って遅くない?と...
望月 大仙2021年8月16日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾参)令和二年二月二十一日(後編) この日から新しい作業が加わった。そのための紙を中灯(ちゅうとう)さんからいただく。中灯さんは修二会における書紀の役割。そのため紙を常備しており、なにか不足があったときなどは中灯さんから紙をもらうのだ。...
望月 大仙2021年8月10日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾二)令和二年二月二十一日(前篇) この頃になると曜日の感覚が全くなくなっています。日記に書いてある曜日で今日が何曜日だったのかを認識できるのみ。テレビも新聞も無く、外界から完全に遮断された世界は極めて平穏だが、刺激がないのも事実。作業は試別火のうちに終わっているため、時たま縁側...
望月 大仙2021年8月2日処世界さんの日記処世界さんの日記(拾壱)令和二年二月二十日(後編) 十七時頃に夕食。しかし、この夕食は今までと異なり自室で一人。院士さんが部屋の前までご飯を持ってきてくださる。もちろん結界があるため中に入ることはできない。 今まではちゃぶ台の上で院士さん達の近くで食べていたところから一転、急に扱いが変わり何だかむ...